僕の「ブログ人」は終わらない。


10年前に寝食を忘れて立ち上げた勤務先のサービスが終了するという報せ

サービス開始当時のFlashを使ったロゴ。はじめの一歩、ホップ・ステップ・ジャンプ。

OCN ブログ人である。すこし前に知っていたことではあるけれども、やはり残念。

当初、競合が立ち上がる中で、ブログがもつ、あり続ける(パーマネントリンクの発明)こと、アーカイブする、ストックすることが意味を持つという特徴を最大限生かすのはキャリアISPのサービスなのだという自負を持って、ISPの基本サービスであることを売りに、サービスを企画し、一時期運営してきた。

にもかかわらず、10年経ってブログだけが終了してしまうという結果。我々のサービスを信じて、そこに集まってくださったユーザーも数多くいることを思うと、本当に申し訳ないと思った。

10年少し前、米国でのそのサービスの流行の兆しをみて、そして、自分で使ってみて、これは大きなトレンドになるという確信を持った。自らの自ら業務で使い、プラットフォームを見つけ、関係者と議論し、計画を練り、徐々に社内に賛同者を増やしていった。なんとかサービス開発にGoがかかったのは秋口。社外からすばらしいパートナーの方々を得て、デザイン、細部のトーンを決めサービス名を決めた。今だから言えるけれども、サービス開始直前は、あまりの忙しさに見かねて他の部署の人が仕事を上司に内緒で手伝ってくれたり...;p。開始後もユーザーの方にコメントでアドバイスしたり、ヒートアップしたやり取りもあって、周囲をヒヤヒヤさせたこともあったっけ。w

様々な企画を考え、いろんな人と協力して、仕掛け、世に出した。炎上も経験したし、さまざまなトラブルも多かった。すごく大変だったけれど、実に楽しい、充実した時間だった。ブログ以外に平行して大変な仕事もあったし、最初は人も少なく時間は限られていたけれど、何より僕らには情熱があった。そして、助けてもらえる周囲にも恵まれた。

立ち上げのドタバタが収まって一年くらいたった、まさに次のステップが重要で、これからどうして行くかを考え始めた頃、今でも覚えているけれど、突然、2日後に担当が変わることを上司から告げられた。今思えば活躍の場を広げろということだろうが、ショックだった。

あまりに急な話なのと、あまりにも、のめり込みすぎた故か、外れるということに対して精神的にも整理もできずに、社会に出てから初めて一週間ベッドから起き上がれずという状況に陥った。まったく恥ずかしい話だけれど、なんとも体全身から力が抜けた感じ。急な異動とあわせて、あのときは様々な方々に迷惑をかけた。

立ち直るには結構時間がかかった。その前後で何かが変わったようにも思う。それだけ自分にとっては、強烈な出来事だった。急な異動とか会社員としては当たり前のことだし、それでショックを受けるなんて、まったく企業人失格ではあったが、その立ち上げを通じて得た知見、関わった方々、友人たちに随分支えてもらって、今も支えていただいている。ありがたい。

それ以降、ブログ人には直接かかわらなくなって、ブログ人もその後のブームでも忘れられた存在になってしまった。随分たって、ブログのブームも終わりかけていた頃に、そのサービスに関わることがあった。しかし、当時我々を支えてくれた超優秀な社外のパートナーの方々も既に入れ替わり、自分の情熱も周囲の状況も、もはや以前のような勢いはなくなっていた。そのうちまた担当が変わった。また一ユーザーとしてブログ人に関わることになった。

ここ数年、機能追加も改善も行われなくなって、今回のサービスの終了は知らなかったのだが、数ヶ月前、一大決心をして自分もブログ人での更新をやめてあらたなドメイン、あらたなプラットフォームで書くことを決めた。当分アーカイブはブログ人に残そうと決めていたけれど、どうもそれも叶わなくなった。

ネット上のプレゼンスを示す場所として、発信するプラットフォームとして、ブログをネットワーク接続サービスの基本サービスとして提供することこそ意味のあることだと今でも思っているし、ホームページとか忘れ去られたサービスは残っているのになぜブログ?という気持ちもある。一人のユーザーとしても、そうならなかったことは本当に残念だ。

今回の終了はビジネス的な側面、コンシューマビジネスの難しさということが原因なのだろうと思う。ひとつのサービスとして切り出してブログを継続させることの難しさはよくわかるが、ISPの基本サービスとして生き残ると思っていた一ユーザーとして、とても残念だったし、キャリアが提供するサービスとしての持続継続性を考えてブログ人を使い続けてくださった方々に、立ち上げ当時の当事者として本当に申し訳なく思う。

こんなブログ記事つけた。

OCNのBlogzineが終わるらしい、合掌。10年以上にわたりココログでブログを書き続けているワタクシとしては、Blogzineを使っていなくて本当によかったな、と安堵する反面。直撃に遭われたみなさまに対しましては本当に不憫に思います

うむ。この人がココログユーザーで本当によかった。でも、ひとりのユーザーとして、以前このサービスにすこしでも関わったひとりとして、お前が言うなと言われるかもしれないけれど、「不憫」とか言わないで欲しいと思った。それは悲しい。

いまのブログ人に関わっている人たちには、こんな言われ方をユーザーがされないように、あと半年、既存のユーザーに対して、きちんと移行の指南することで、自由に気持ちよく、発信を続ける術、方法をユーザーに提供すること、そこを終了に向けて、情熱を持って、関係者には携わってほしい。
推奨ブログはこちら...あとはご自由に...みたいな切り捨ては止めてほしい。頼むよ。ほんと。

終了のお知らせにあたって、何か残しておかないといけないかなと...結局、自分語りでつまらないエントリーになってしまったようで、ごめん。
いや、これも書くまで気が重かったけど、結局吐き出して、少し楽になった。ブログってそんなもので、結局自分のために書くのだ。そう、

**「思ったことを思ったように書く、読む、伝える。」**このコンセプトは今でも正しくブログのコンセプトを伝えているように思う。

僕の中でブログ人はずっと続いている。


後ろにBlogzineのロゴが入ったなかなかいい感じのTシャツ。とブログ人専用ネタ帳

![](/content/images/2014/May/8698156761_b60abdf6c4_c.jpg) http://kwmr.blogzine.jp/kanji/2013/05/91_ea30.html