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デジタルエコノミーの罠
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デジタルエコノミーの罠

久しぶりの投稿。じつに興味深く、様々考えさせられた本の紹介です。 ネットがもたらす希望に満ちた新しい民主主義の在り方、創発民主制 [https://www.glocom.ac.jp/project/odp/library/75_02.pdf] への期待、ネットが世界を変えていくワクワク感、現実にはなかなか上手くいかないことも多そうだけれど、まだ希望はあるのだろうと、そんなことを考えていた自分の認識の甘さをことごとく破壊した一冊でした。 様々アテンションエコノミー:関心の経済がもたらす負の一面を現した言説は多いのですけれども、本書は理論モデルと実際のデータによって、ファクトベースで現実を描き出します。 (米国の地方新聞)ローカルメディアの例を挙げ、訳者曰く「もっと真面目にネットに取り組み、読み込みの遅延をなくしてA/Bテストを少しでも導入し、見出しに今の100倍は力を入れろ、紙や電波メディアのおまけでWebができると思うな。さらにウェブの現実を踏まえないインチキ論者に耳を貸すな…」と極めて具体的な提案をしている反面、オンラインの関心の経済がもたらしたGAFAの寡占と民主主義へのダメ
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理論疫学者・西浦博の挑戦-新型コロナからいのちを守れ!
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理論疫学者・西浦博の挑戦-新型コロナからいのちを守れ!

あの”8割おじさん”こと西浦京都大学教授が語るコロナに立ち向かった日々のドキュメント。 いやぁ。実に面白かった。 第一波が落ち着いた時期にまとめられたコロナ対策の中枢、西浦教授周辺で起こったことを書き手の小説家であり科学系ノンフィクション作家の川端裕人氏が、わかりやすく読みやすく構成したドキュメンタリーであり、感染症対策の専門家が政策決定の中枢に入る、日本で初めての「画期的な出来事」の真っ只中にいて、後に「8割おじさん」としてメディアに晒され称賛も批判も受けた西浦教授が熱く本音を語った一冊だ。 理系の感染症数理モデルの日本で数少ない数理モデルのプロが官僚や政治家との奮闘や科学コミュニケーションに葛藤し、あるときは落ち込み、励まされ、立ち向かっていく姿が描かれている。 今まさに起こっているコロナ感染の第2、3波、状況を理解することはもちろん、困難な状況におけるコミュニケーションのあり方、組織の作り方、チームビルディング等々、良質なケーススタディ、ビジネス書としても読めると思った。 途中、何度も胸打つような記述に出会って、ああ、こんなしんどいことが起こっていたのだとか、今まさにお
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「素直に読み、静かに伝える」:ドミトリーともきんす

「素直に読み、静かに伝える」:ドミトリーともきんす

一月ほど前に書店で、高野文子の名前と装丁が気になって手にとって、いままで積ん読になっていた漫画本、 本日読了。 科学に魅せられた著者達の描く、美しく,実に魅力のある文章をドミトリーともきんすという変わった名前の下宿屋に暮らす寮生たち(在りし日の科学者達)と大家の親子(とも子さんときん子ちゃん)のやりとりを通して、シンプルな「静かな絵」で描き出す、少し風変わりな読書案内。 「素直に読み、静かに伝える」事に注意を払ったという、いや、じつに、いい感じ。この紹介に導かれて、「乾いた涼しい風が吹いてくる読書」を続けたくなった。おすすめ。
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