AIエージェント標準化の「本当の競争」はどこで起きるのか

AIエージェント標準化の「本当の競争」はどこで起きるのか

Weekly Tech Digestの週間まとめ、つらつら眺めていたら、Anthropicが「Agent Skills」をオープン標準として公開したというニュースが目に入った。
で、ふと思った。なぜ各社はこの段階で「オープン標準化」を進めるんだろう? 自社で閉じ込めた方が何かと有利じゃない…?

Claudeとこの問いを掘り下げてみたら、既視感のある構図が見えてきた。いわゆるエージェントの標準化プロトコルだけれど…


主要プロトコルの現状

プロトコル 提唱者 用途 ステータス
MCP Anthropic(2024年11月) エージェント ↔ ツール デファクト化
A2A Google(2025年4月) エージェント間通信 Linux Foundation管理

MCPがCursorやReplit等に採用され、OpenAIも2025年3月に採用表明。数千のMCPサーバーが開発されている。

重要なのは、MCPとA2Aは競合じゃないということ。MCPは外部ツールへの「配管」、A2Aはエージェント同士の「会議室」。レイヤーが違う。上手く棲み分けている感じ、競争はしていない。


OSIモデルで整理すると

今の標準化はL5-6に集中していて、L3(発見層)とL7+(ガバナンス層)がまだ空白

電話網でもプロトコル層(SS7等)はオープンだったが、交換機・課金・顧客基盤は特定事業者が握っていた。AIエージェントでも同じことが起きようとしている。プロトコルは決まりつつあるけど、番号案内をどこが運営するか、課金精算はどうするか、みたいな話はこれから。


空白地帯での争い

L3(発見層) では、2025年5月にOWASPから「Agent Name Service(ANS)」が提案された。「DNS的発想を参照した」エージェント発見の仕組みで、IETFにドラフト提出済み。GoDaddyが11月にアルファ版APIを公開している。ただし、まだまだ未成熟で発展途上、「試行段階」「周辺実験」でとどまっている。

L7+(ガバナンス層) では、Microsoft(Agent 365 + Entra Agent ID)、ServiceNow(AI Control Tower)、MuleSoft(Agent Fabric)などが「エージェント管理の部分」の陣取り合戦を行っている。この主導権を取る方が短期的には、現実的な解だろうが、長い目で見るとL3の影響も大きいはず。


なぜここでオープン標準化なのか

答えは単純で、プロトコル層で囲い込むのは今の市場では難しいから。

企業は「1社のAIに全ベット」を避けたがっている。閉じた規格では顧客が逃げる。だから標準化して「繋ぎやすさ」で勝ち、その上のエコシステムで差別化する。AndroidやReactと同じ構図だ。


今後の注目点

  1. L3(発見層)を誰が握るか
  2. L7+(ガバナンス層)のデファクトがどう固まるか
  3. 人間がどう関わり、どう監督していくのか

プロトコルの標準化は始まりに過ぎないだろう。本当の競争は、その上と下で起きるはず…。L3標準化は大手LLMプロバイダーにとって有利に働く。だからGoogleやOpenAIがこの領域に積極的なのかもしれない。なんて思った。


参照


この記事は、Claude(Anthropic)との対話をもとに構成しました。