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「この世界の片隅に」;本年度僕的最高傑作アニメ
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「この世界の片隅に」;本年度僕的最高傑作アニメ

公開初日の昨夜、こうの史代原作 片渕須直監督作品「この世界の片隅に」を鑑賞。実に好い映画だった。 戦争によって日常が徐々に蝕まれていく中で、なんとか普通に生きようと精一杯、健気に頑張っているすずの物語…。 3部作の長編。物語の展開は早いが、おっとりとしたすずの仕草故か、時間はゆっくりと流れているように感じる。何より絵が美しい。瀬戸内の海の輝き、史実に忠実な街並み、自然の細かな描写にも手を抜いていない。航空史の研究家でもある監督の戦闘機や軍艦などの描画もリアルだ。様々なアニメでしかできないような表現が素敵。コトリンゴのでしゃばらない音楽も好い、沁みる。 何より、能年玲奈あらため、のんが素晴らしい。おっとりしてぼーっとして絵が上手くて…実は凛とした芯の強い女性、彼女とすずのイメージが重なる。6年前に原作を読んですずが大好きになったが、この映画を見終わって、すずはこの人しかいなかったのだと思う。 日常と非日常は隣り合わせにある。悲惨な非日常の中でも日常はあり続ける。この映画は「反戦」の物語ではない。ことさら戦争の悲惨さを訴えない。むしろコミカルな場面が多い。その中で戦時という非日常の
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七人の侍 4K
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七人の侍 4K

明日で最後ということで「午前十時の映画祭」七人の侍を市川で観た。映画館、大画面で見るのは初めて。TVとか様々なんとなく見たことはあるが、真剣に見るのも初めて。 いや、良かった。今更、この映画の良さを繰り返してもしょうがないんだろうけど、いいものはいい。今回、デジタルリマスターで蘇った画面が素晴らしくきれいで、鮮明。画面だけなら最新作といってもいいくらい。 確かに音が今ひとつ聴きづらい箇所はあったが、それはもう些細なこと。(後で知ったが、これ、公開当時から聞き取りづらいという問題があったようだw) 構図が流石だなぁ。美しい。映画はこれだと。写真やっている人見たほうがいい。ほんと、どのカットもかっこいい。美しい。絵になるというのはこういうことをいうのだって感じ。どこかで見たカット、この映画に影響された映画が多いのにもうなづける…。 土埃、湯気、そして雨。極めて日本的な対象が画面を引き立たせる。時代考証をして、百姓が傭兵として侍を傭うという実際の史実を膨らませたという物語。 勧善懲悪のようで弱者の百姓のダメさや暗さ、出世が叶わなかた浪人の悲しさも描く人間ドラマ。そして、雨の中の最後の
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映画:グランド・ブダペスト・ホテル  The Grand Budapest Hotel
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映画:グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel

気になっていた映画、グランド・ブダペスト・ホテルを見に行った。 ウィス・アンダーソンの作品は初めて接するのだが、独特な色彩美、様式美、カメラワークが気にいった。美しい。 85年、60年代、30年代を行き来するストーリー構成(画面サイズが年代毎に違うという演出も)。 多くの超個性的なキャラクター達を熟練した俳優が演じる軽妙なアクションコメディ&サスペンス+少しのエログロ...要は盛りだくさん。 架空のお話しではあるけど、たんなるドタバタコメディでもなくて、戦争とかファシズムとか自国がなくなってしまうこと、などなど、ツヴァイクの物語にインスパイアされたという、現実社会に繋がる寓話的ストーリーが展開される。 主演のグスタフ役の俳優がとても上手くて、胡散臭い、いい味を出しているんだけど、この目、何処かで見たなぁと思ったら、あのブォルデモート卿だった。w あと、エンディングのコサックダンスは必見。:) 盛りだくさんすぎで、若干消化不良気味ではあるけれども、ほんと映像が奇麗で単純に楽しめたから◎。 オススメ。
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