公開初日の昨夜、こうの史代原作 片渕須直監督作品「この世界の片隅に」を鑑賞。実に好い映画だった。
戦争によって日常が徐々に蝕まれていく中で、なんとか普通に生きようと精一杯、健気に頑張っているすずの物語…。
3部作の長編。物語の展開は早いが、おっとりとしたすずの仕草故か、時間はゆっくりと流れているように感じる。何より絵が美しい。瀬戸内の海の輝き、史実に忠実な街並み、自然の細かな描写にも手を抜いていない。航空史の研究家でもある監督の戦闘機や軍艦などの描画もリアルだ。様々なアニメでしかできないような表現が素敵。コトリンゴのでしゃばらない音楽も好い、沁みる。
何より、能年玲奈あらため、のんが素晴らしい。おっとりしてぼーっとして絵が上手くて…実は凛とした芯の強い女性、彼女とすずのイメージが重なる。6年前に原作を読んですずが大好きになったが、この映画を見終わって、すずはこの人しかいなかったのだと思う。
日常と非日常は隣り合わせにある。悲惨な非日常の中でも日常はあり続ける。この映画は「反戦」の物語ではない。ことさら戦争の悲惨さを訴えない。むしろコミカルな場面が多い。その中で戦時という非日常の